ライティングについてについて (このページの3D画像の作成はLightWave3Dです。)
ライティングの効果・比較 |
ライティングは、対象を照らして見やすくするという以上に様々な効果を左右する、重要な分野です。
たとえば、横の二枚の画像は、モデルとカメラの設定は全く同じなのに、違う人に見えませんか?。下記の①より②のほうがやつれて見える?。これ、ライトの効果です。 ライトで季節感や時間設定を演出したり、3Dに一番大切な立体感の演出までするのです。せっかくモデリングしたモノを生かすも殺すもライティングの役割は大きいです。
--- 画像①と画像②のライティングの比較 ---
※ ライトの設定色は、メイン(キー)ライトの色が違うだけ。①:青系。②黄色系。ライトの名前の色は、位置図のライトとの照合が目的です。
たとえば、夕方の雰囲気を狙うなら、メインライトを夕焼け風の色にして高さを押さえて横から照らすとか、たとえば、夏の昼なら、高い位置からメインライトを強く照らし、影も濃くするとか・・想定場面を演出出来るよ。
ライトの種類 |
平行ライト | 単一方向に平行に照らす光。太陽光などに使用。全てのオブジェクトを均一に照らしてくれる |
スポットライト | 光の照らす範囲があるライト。現実界のスポットライトと同じイメージ。 |
点ライト | 一点から周囲(全方向)に光を放つ。裸電球の照らし方に似ている。 |
エリアライト | 光源のサイズを変えることが出来る面光源。パネル型の照明。また、線光源は、蛍光灯の照らし方に似ている。 |
※ 面光源は、ラジオシティーに似た柔らかい影が出来ますが、レンダリングの際計算処理の時間が長くります。
立体を意識したライティング例 |
ライトのセッティングは、表現の目的に合わせて様々なセットの方法あります。対象物の面の角度、やカメラのに位置によってもセットは変わってきます。その都度セットすることが最適となります。
ここでは一例として、洋式便器の立体を見せるという目的のライトセットを試してみました。下記の便器の画像は実は6個のライトをセットしています。画像イメージとカラーレベルの分布はこんな感じです。
画像の陰影表現は、ハイライトの一番明るい部分が、一番白い白で、一番くらい部分が、一番黒い黒というのが理想的。Photoshopのレベル補正というコマンドで見れば、陰影のレベル分布が分かるよ。
上の便器画像イメージのライトの設定色と位置を下記に示します。
(※ライトの呼び方はいろいろあるので、ここでは、勝手ながら私が使っている呼び方で書きます。)
(※ ライトの名前の色は、位置図のライトとの照合が目的です。)
使用した個々のライトの詳細を下記にまとめました。
ライト名/強さ | 単体での光 | 合わせると | 内容/(使用したタイプ) |
キーライト (メインライト) 100% |
基本にした光。シャドウタイプはレイトレースにしました。 |
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キーライト2 (シャドウオフ) 30% |
影を薄くするためのサブキーライト。CGの場合にだけ使用する。影が濃すぎてしまって、違和感を感じるときは、キーライトはシャドウをONにするライトとOFFにするライトの二つの値を操作して、影をちょうどよい濃さに調整するという手を使います。 |
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リムライト (キッカーライト) 130% |
キーライトの逆側のエッジを際だたせ、形を背景から浮き上がらせるためのライト。リムライトがないと、キーライトの逆側の形が黒く背景となじんでしまっていてよく分からない。 |
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フィルライト1 40% |
キーライトで出来た陰(便器の向かって右側)の部分を照らすライト。その陰の部分が黒くつぶれている(形が分からない)のでその部分の明かりを補い形を出すために。 |
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フィルライト2 15% |
地面の反射した光(照り返し)を模擬するCG画像特有なライト。なんちゃってラジオシティーの役割です。 |
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フィルライト3 15% |
地面の反射した光(照り返し)を模擬するCG画像特有なライト。なんちゃってラジオシティーの役割です。フィルライト2(↑)と左右で1対です。 |
その他の効果 |
ライトの使い方は、対象物を照らすという照明としての使用以外に、車のヘッドライトや懐中電灯などにセットして、小道具的にも使用したりと・・様々です。
また、CGならではの、照らすオブジェクトを限定できたり・・ハイライトを付けずに照らしたり・・影を出さずに照らせたり、いろんな工夫が出来ます。
ライトの色の設定も、簡単に場面の雰囲気を変えることが来ます(ページ冒頭の画像で比較できます)。
ここではその他の代表的な効果を挙げます。
Shadowmap (シャドウマップ) |
簡易な影。影の輪郭をソフトに表現することができる便利なシャドウタイプ。レイトレースと違い、ライトから見えない部分を簡素に影としているので、計算が速いです。 |
レンズフレア | 光源の光が視認できる効果。CG上では、現実界と違って、デフォルト設定では、ライトをレンダリングしてもライトは見えません。現実界なら、眩しい光が見えるでしょう。光源がカメラに入り込めば、光の輪が写り込んだりします。それがレンズフレア。 |
VolumetricLight (ヴォリューメトリックライト) |
光の筋を伴ったライト。事前現象ではよくあるので、リアルな表現が出来る。 |
Ambient (環境光) |
光源から発する光でなく、空間全体の明るさのこと。Ambientの値を上げれば全体的に明るくなり、値を下げれば全体的に暗くなる。 右の画像は左がAmbient0%、右が25%。 |
ラジオシティー |
オブジェクトの表面で反射した光が、近くのオブジェクトに影響を与えること。現実界の光をシュミレートするような感覚のもの。ソフトな影がリアルな効果。ただ、レンダリングの計算時間が長くなるので、静止画向き。 右の画像は左がライト1個でレイトレース、右は、左と同じ条件でラジオシティーを使用。 |
コースティクス |
曲面の反射や、透明物の屈折により、集まった光の効果。 右の画像はコースティクスの設定をする前、右はコースティクスの設定した画像。 |
3DCG - Texture | 3DCG - Animation |